真夏の駐車場に戻ってドアを開けると、室内の広い eKスペース はそのぶん日射を受ける面も大きい。ダッシュボードに手を置けないほど熱くなっている日もある。この世代でサンシェードを探すとつまずくのが商品名で、eKクロススペースやデリカミニと書かれた製品が並び、どれが自分の車用なのか決められない。判断の軸は車名ではなく、型式表記だ。
商品名の車名ではなく型式で合わせる
三菱自動車の公式発表によると、eKスペース は年式と型式で3つに分かれる。2014年2月からが B11A、2020年からが B34A・B35A・B37A・B38A、2025年9月からが BA1A・BA5A。2代目の eKスペース と eKクロススペース は2020年3月19日、3代目は2025年10月29日の発売だ。車検証の型式欄が B34A・B35A・B37A・B38A のどれかなら、この4つを並べて表記した商品が対象になる。B35A から B38A は同じ2代目の中の駆動方式とエンジン仕様の違いによる枝番で、別世代ではない。
やっかいなのが「新型」という語で、2020年発売時点を指す場合と2025年の3代目を指す場合の両方がある。型式表記が BA1A・BA5A だけの商品は B34A 世代の対象外として扱う。先代 B11A もガラス形状が違う前提で切り分ける。
| 製品 | 取り付け方式 | カバー範囲 | 価格 |
|---|---|---|---|
| 趣味職人 | サンバイザーに磁石ベルト | フロント1枚 | ¥3,980 |
| ruiya | サンバイザー挟み込み | フロント1枚 | ¥2,980 |
| atmys | 簡易吸盤 | フロント+前席サイド+ピラー計5枚 | ¥14,500 |
| YYZAX | 窓枠に磁石 | サイド前後4枚 | ¥2,300 |
価格はAmazonの実売価格(確認時点)で、変動する。
3つの車名が同じ型式グループで扱われている
三菱自動車の公式サポート情報によると、eKスペース(B3*A)は全長3395mm、全幅1475mm、全高が2WDで1780mm・4WDで1800mm、室内高1400mm(リヤサーキュレーター装着車は1390mm)。軽自動車の枠内で室内高を取ったスーパーハイトワゴンで、窓の面積が大きい。
同じサポート情報では、荷室寸法の設問が「eKクロス スペース|eKスペース|デリカミニ(B3*A)」の1件にまとめられている。メーカー自身が3車名を1つの型式グループとして案内しているから、商品名が eKクロススペースやデリカミニでも型式表記が一致していれば候補に入る。ただし各商品が書いている適合範囲を超えて使えるとまでは判断しない。
下がるのはダッシュボード、車内の空気ではない
JAF が公開しているユーザーテストの実測値では、気温35度・晴天のもと、室温を25℃にそろえたミニバンを4時間駐車して比べている。対策なし(白いボディ)はダッシュボード最高74℃・車内最高52℃、サンシェード装着はダッシュボード最高52℃・車内最高50℃だった。ダッシュボードの表面は22℃下がる一方、車内の空気の最高温度の差は約2℃にとどまる。
効くのは、乗り込んだ瞬間のハンドルやダッシュボードの熱さと、内装の日焼けの側だと考えたほうがいい。JAF はこのテストについて、サンシェードや窓開けの対策をしていても温度抑制効果は低く、車内温度の上昇は防げないとまとめている。テストは2012年8月に埼玉県内で実施され、供試車はミニバンで eKスペース ではない。
選ぶ前に決める4つの軸
取り付け方式
サンバイザー挟み込み式は、シェード下部をガラスに当ててサンバイザーを下ろすだけで吸盤を使わず、跡が残らない。マグネットベルト式は、サンバイザーに磁石付きのベルトを付けておいてシェード側の磁石を吸着させるもので、骨や柄が内装に当たらない。簡易吸盤式は窓の形に合わせた専用設計品で使われ、ピラーやサイドドアの小さな面にも貼れる。窓枠マグネット式はサイド用で、付けたまま窓を開閉できる。毎日着脱するなら挟み込み式かマグネットベルト式、窓の形に沿って隙間を減らしたいなら吸盤式の専用設計品だ。
カバーする窓の範囲
フロントガラス1枚だけのタイプは、日射を最も受ける面をふさぐもので、価格も収納サイズも小さい。フロントセットはこれに前席のサイドドアガラス2枚とピラーガラス2枚が加わる構成があり、フロント周りの隙間を減らせる。サイド用の複数枚セットは後席側面を中心に覆う。乗り込んだときの熱さ対策ならフロント1枚で足り、外から中が見えない状態を作るなら覆う枚数が効いてくる。
素材と遮光の考え方
アルミ蒸着の多層構造は、表面で日射を反射して中間層と裏面で熱を受け止める設計で、内装の日焼けとダッシュボードの温度上昇を抑える方向に振ってある。高密度の遮光生地は、薄く軽く仕上げながら光を通しにくくするもので、収納性と扱いやすさを取りにいく設計だ。メッシュは通気を保ったまま視線を遮る性質のもので、遮光そのものは目的にしていないと商品説明で明示される場合がある。
収納サイズと重さ
形状記憶フレームを芯にして巻き取る方式はコツが要らない。ワイヤー入りの折り畳み方式は慣れれば小さくたためるが、たたみ方にコツが要る。専用設計の吸盤式セットは枚数が多いぶん、たたんでも一定のかさになる。ドアポケットに常備するのか荷室に置くのかで、許容できるサイズと重さが変わる。
走行中に付けたままでよい窓、外す窓
国土交通省の案内では、運転席と助手席の窓ガラスに着色フィルムを貼って可視光線透過率が70%未満になるもの、前面ガラス等への装飾板の装着で70%未満になるものを不正改造の例として挙げている。対象は前面ガラスと、側面ガラスのうち運転者席より前方の部分で、後方の部分は除かれる。この扱いは2005年1月1日から適用されている。
フロントガラス用と前席側面用は駐車中に使うものとして扱い、走行前に必ず外す。後席側面とリアガラスは70%の基準の対象外なので、後席の目隠しは走行中の装着そのものが基準に触れるわけではない。ただしルームミラーとドアミラーで後方と側方の確認ができる状態は保つ。メッシュ素材のサイド用の説明文に走行時の使用を示唆する表現があっても、可視光線透過率が公称されていない以上、前席側面へ走行中に付ける判断はしない。
B34A に型式で対応する4製品
以下の仕様はいずれもメーカーの公称値で、第三者が測定した検証値ではない。
趣味職人(フロント1枚・マグネットベルト式)
商品名で eKクロススペース の B34A・B35A・B37A・B38A型に対応と表記されている。メーカーの商品説明によると、重さ72g で使用時の約2%まで小さく収納でき、その軽さと小ささを団体の日本記録として認定されたとしている。素材は30D の極細糸を使った高密度遮光生地で日本縫製、紫外線と日差しを99%遮断するとされる。サンバイザーに磁石ベルトを装着してネオジム磁石で吸着させる方式で、柄や骨がダッシュボードや内装に当たらない。ドライブレコーダーにも対応との記載がある。収納は形状記憶フレームを芯にして巻き取るだけで、使うときはフレームが自動で復元する。
趣味職人 サンシェード eKクロススペース B34A B35A B37A B38A型 フロントガラス用 マグネット式
ruiya(フロント1枚・4層構造)
適用車種として三菱 eKスペース 2代目および eKクロススペース の2020年3月以降、型式 B34A・B35A・B37A・B38A型と明記されている。メーカーの商品説明によると4層構造で、表側がアルミメッキの遮光シート、2層目が紫外線防止とナノ反射に特化した層、3層目が吸熱と耐燃に特化した層、裏側がポリウレタンの黒い断熱シート。厚手のポリプロピレン不織布を併用する。吸盤を使わず、本体を広げて下部をフロントガラスに押し当て、サンバイザーを下ろして挟むだけで留まる。ワイヤータイプで折り畳んで収納でき、収納袋が付属する。商品名に「パラソル」の語があるが、説明上は骨と柄を持つ傘型ではない。
ruiya eKスペース/eKクロススペース B34A/B35A/B37A/B38A型 専用サンシェード フロントガラス用 4層構造
atmys(フロント5枚セット・簡易吸盤式)
適合車種として eKクロススペース・eKスペース の B34A・B35A・B37A・B38A型が明記されている。メーカーの商品説明によると内容はフロントガラス1枚、サイドドアガラス2枚、ピラーガラス2枚の計5枚で、「本製品はフロントセットです。フルセットではありません」と書かれている。後席側面とリアガラスは含まれないので、全周を覆いたいならリア側は別に用意する。簡易吸盤で脱着し、使わないときは折りたためる。特殊生地で光を遮り外からの視線も遮るとされ、車種ごとの専用設計で隙間なく合うよう日本の職人が製作しているとしている。
atmys プライバシーサンシェード eKクロススペース/eKスペース B34A型 フロントセット 5枚組
YYZAX(サイド用前後4枚・窓枠マグネット式)
eKクロススペース・eKスペース の B34A・B35A・B37A・B38A型対応と表記された前後4枚組。メーカーの商品説明によると網素材を使い、日差しを遮って車内温度の上昇を抑えつつ、「遮光ではないながらも」外部からの視線を遮ると明記されている。外からは見えにくく、車内からは外の様子が見える。縫い込まれた複数の磁石を窓枠の金属部分に吸着させるので、付けたまま窓を開閉できる。防静電気加工が施され水洗いができ、折り畳んで収納する。可視光線透過率の数値は公称されていない。
YYZAX eKクロススペース/eKスペース B34A型 対応 サイド用サンシェード 磁石式メッシュ 前後4枚
使い方から1つに決める
- 通勤や買い物で毎日着脱する → 趣味職人。軽くて巻き取りで収まる
- 内装の色あせとダッシュボードの熱を抑えたい → ruiya。アルミ蒸着の多層でフロント全面を覆う
- 車中泊や仮眠で外から見えない状態を作りたい → atmys。ピラーまで覆って隙間を減らせる
- 夏に窓を開けて換気しながら後席の視線を遮りたい → YYZAX
フロント用とサイド用は役割が違うので、片方で両方の目的を満たそうとしないほうがいい。車中泊を主目的にするなら、フロントセットにサイド用を足す組み合わせが素直だ。
買う前に確認する4段階
- 車検証の「型式」欄を見る。B34A・B35A・B37A・B38A のどれかなら2020年3月から2025年の2代目
- 商品側の適合表記に、その型式と年式(2020年3月以降)が含まれるかを照合する。車名だけの一致では決めない
- フロントガラス用を選ぶなら、ドライブレコーダーやミラー型の機器と干渉しないか、取り付け方式が自分の装備と両立するかを見る
- リアガラスまで覆う製品を選ぶなら、デジタルルームミラーの有無を確認する
同じ専用設計シリーズのリアセットの商品説明には、デジタルルームミラー(リアビューカメラ付き)装着車は上部のカメラカバーで形状が合わず隙間が生じること、それが標準装備となるグレードでは適合しないことが明記されている。フロント用だけを買うならこの制約は関係しない。
よくある質問
eKクロススペースやデリカミニ用と書かれた商品でも使えますか
型式表記が B34A・B35A・B37A・B38A で、年式が2020年3月以降なら候補になる。逆に注意したいのが車名だけの表記で、実際に「ekスペース H26.2~」と書きながら B34A から B38A の型式は「デリカミニ B3系 R5.5~」の側に紐づけている商品説明がある。この「ekスペース」は先代 B11A を指している。
走行中に付けたままにしてもよいですか
フロントガラス用と前席側面用は外す。後席側面とリアガラス用は基準の対象外だが、ミラーで後方と側方の確認ができる範囲で使う。
フロント用1枚だけで車中泊の目隠しになりますか
ならない。フロント1枚は日射を最も受ける面をふさぐためのもので、外から中が見えない状態を作るには覆う枚数が要る。
先代や2025年の新型と同じ製品は使えますか
世代が違えばガラス形状も違う前提で扱う。型式表記が B11A だけ、あるいは BA1A・BA5A だけの商品は B34A 世代の対象外だ。
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まとめ
購入前に見るのは3点だけだ。
- 車検証の型式が B34A・B35A・B37A・B38A のどれかであること
- 商品の適合表記に、その型式と2020年3月以降の年式が入っていること
- 毎日の着脱・内装の日焼け・車中泊・換気のどれを主目的にするか
そのうえで期待値は、ダッシュボードの熱と内装の焼けには効き、車内の空気の温度は大きく下がらない、という線に置いておく。
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