レクサスLMのAYH36は、2020年から中国・香港・インドなど海外市場だけで販売された初代モデルで、日本仕様として正規に扱われたことがない。プレミア価格での逆輸入という形で個体を所有していると、いざヘッドライトやルームランプが暗くなったときに、国内のレクサス販売店では型式そのものが扱われておらず、対応の道筋が見えにくくなる。外装灯はいずれも複数のLEDが一体化されたユニット構造になっているため社外バルブへの単純な差し替えはできず、交換を検討できるのは室内灯やナンバー灯の一部に限られる。ベースになった30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッドの構造から、どこまで自分で対応できるかを灯火の位置別に整理する。
レクサスLM(AYH36)とはどんな車か
AYH36は2020年2月24日に中国で発売された初代レクサスLMの型式で、グレード名は「LM300h」。7人乗りと4人乗り「ロイヤルエディション」があり、中国・香港・インドなど限定市場向けに展開された。車体は3代目アルファード/2代目ヴェルファイアと共通の新MCプラットフォームを土台にしており、Wikipediaの記述でも「アルファード/ヴェルファイアと多くの共通部品を持つ」設計だと説明されている。中国で販売されるレクサス車は関税を含めて日本からの輸出扱いとなるため、AYH36自体は日本国内の工場で生産され、海外向けに送り出された車両にあたる。
現行LM(350h/500h)との世代の違い
「レクサスLM」で検索すると、2023年10月19日に日本へ正式導入された現行LM(LM500h・型式TAWH15W)や、その後追加されたLM350hの情報が多く出てくる。現行モデルはスライドドアやリアフェンダーまで専用設計にした新型で、エンジンもT24A-FTS型ターボ+デュアルブーストハイブリッドへ刷新されており、AYH36とは車体・電装とも別物だ。国内のレクサス販売店網が実際にパーツを扱っているのはこの現行LMであり、AYH36の情報を探すときにこの2台を混同すると、適合しない部品を注文してしまう原因になる。
国内での入手経路(逆輸入)
AYH36は日本国内で新車販売された実績がないため、国内で見かける個体はほぼ全てが中国などからの逆輸入車だ。中古車情報サイトや専門店の掲載を見ても、7人乗り・4人乗りともに流通台数は少なく、価格は2,000万円台になることが多い。並行輸入・逆輸入を扱う専門店が輸入時に整備記録を残していることがあるため、ランプ交換を検討する際はまず自車を持ち込んだ店に相談できるかを確認しておくと、型式相談の入り口を作りやすい。購入時の書類に現地(中国など)でのメンテナンス履歴や部品交換の記録が残っていれば、そこに記載された型番から先に規格を絞り込めることもあるため、手元の資料は処分せずに保管しておくと後の相談がスムーズになる。
外装灯(ヘッドライト・テールランプ・ポジションランプ)は交換できるか
外装灯について最初に確認したいのは、社外LEDバルブへの単純な差し替えが前提になる車かどうかという点だ。AYH36は正規の取扱説明書が国内に流通していないため、同じLexus LMという名称を持つ現行モデルの取扱説明書と、ベースになった30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッドの構造の両方から、実際の設計を推測する必要がある。
現行LMの取扱説明書にみる設計思想
現行LM500hの公式デジタル取扱説明書(メンテナンス章)には、外装灯について次のように書かれている。「外装のランプが点灯しないときは、レクサス販売店で交換してください」「すべてのランプは、数個のLEDで構成されています。もしLEDがひとつでも点灯しないときは、レクサス販売店で交換してください」。このページの見出しは「外装のランプの交換」であり、他のレクサス車種に用意されている「電球(バルブ)の交換」という独立ページ自体が存在しない。つまり現行LMは、バルブ規格を調べて社外品を購入するという従来型の手順そのものが成立しない設計になっている。
AYH36のベース=30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッド
一方でAYH36は現行LMより前の世代で、ベースになった30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッド(型式AYH30W、2.5L 2AR-FXEエンジン+E-Four・4WD専用)は、前期モデルであればヘッドライト内のポジションランプがT10ウェッジ球で交換できる設計になっている。アルファード30系のLED交換手順でも、ボンネットを開けてヘッドライトユニット背面のコネクターを外すことで作業できると案内されている。AYH36も同じプラットフォームを土台にしているため、ヘッドライト自体の交換や分解を伴う作業は避け、まずポジションランプなど一部の交換可否から確認する進め方が無理のない範囲になる。ヘッドライト・テールランプ本体のユニット構造は年式・仕向地で仕様が変わりうるため、確定的な交換可否は現物かサービスマニュアルでの確認が前提になる。
室内灯・ナンバー灯のLED交換
室内灯とナンバー灯は、外装灯と違ってバルブ交換型の余地が比較的残っている部位だ。ベース車の実績から想定される規格を早見表にまとめた。
| 灯火 | 位置 | 想定される規格 | 交換の目安 |
|---|---|---|---|
| ルームランプ・マップランプ | 天井中央・フロント | T10ウェッジ球(グレードにより基板交換型) | バルブ交換型なら初級 |
| セカンド・サードシートランプ | 後席天井 | T10ウェッジ球 | 初級 |
| ラゲッジランプ | 荷室 | T10ウェッジ球 | 初級 |
| バニティランプ | サンバイザー | T10ウェッジ球 | 初級 |
| ナンバー灯(ライセンスランプ) | リアバンパー上部 | T10ウェッジ球 | 初級 |
| フォグランプ | フロントバンパー | H16(H8/H11兼用)またはユニット交換型 | グレードにより異なる |
| ヘッドライト・テールランプ | 前後端部 | LEDユニット一体型が中心 | 社外バルブでの交換は想定しにくい |
想定される規格と交換の目安
30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッドでは、ルームランプ・セカンド/サードシートランプ・ラゲッジランプ・バニティランプ・ナンバー灯のいずれもT10ウェッジ球が使われており、レンズをマイナスドライバーなどで外して差し替えるだけの作業になる。AYH36も同じ電装系の土台を使っている可能性が高く、交換を試すならまずこの範囲から着手するのが現実的だ。作業時間はどの位置も数分から30分程度で、特殊な工具は不要になる。
純正LED仕様のグレードでの例外
ベース車では上級グレードで室内灯が純正LEDになっている場合があり、その場合はバルブ交換型のパーツがそのままでは装着できず、配線ごと差し替える基板交換型が必要になる。AYH36は7人乗りと4人乗り「ロイヤルエディション」でシート構成や内装仕様が異なるため、グレードによって同じ「ルームランプ」でも交換方式が変わりうる点は、購入前に踏まえておきたい。
現物で規格を確認する手順
正規のパーツカタログが国内にない以上、確実なのは今ついているバルブを一度外し、根元や側面に印字された規格・ワット数を直接読み取る方法だ。T10であれば刻印が読みやすく、基板一体型であればバルブ単体を取り外せない構造になっているため、その時点でユニット交換型だと判断できる。取り外す際はレンズやソケットのツメを折らないよう、マイナスドライバーの先端に布を巻くなどして養生しておくと、経年で硬化した樹脂パーツを傷めにくい。逆輸入を扱った店が分かっていれば、その店に現物写真を見せて規格を照合してもらう進め方も選択肢になる。取り外したバルブは購入時の照合用に、型番が読み取れる状態のまま保管しておくと、後から追加で交換したくなったときにも同じ規格をすぐ選び直せる。
フォグランプのLED交換
フォグランプは仕様によって交換方式が分かれる部位だ。
ハロゲン仕様の場合
30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッドの前期・標準グレードはハロゲンフォグランプで、バルブ規格はH16(H8/H11兼用ソケット)が使われている。ハロゲンタイプであれば、対応するLEDフォグランプに差し替える形でDIY交換ができる。バンパー裏側からの作業になるため、位置によってはタイヤハウス内のライナーを一部めくる必要がある。
純正LED仕様の場合
後期モデルの上級グレードでは、フォグランプ自体が純正LEDになっている個体があり、この場合はバルブ単体の交換ではなくユニットごとの交換になる。ユニット交換は配線・防水処理まで含む作業になるため、自分のAYH36がどちらの仕様かを最初に確認したうえで、純正LED仕様であれば整備の専門店に相談したほうが無理がない。
バルブ交換型とユニット交換型の見分け方
灯火ごとに交換方式が分かれる理由は、車種の設計思想がバルブ交換前提かユニット交換前提かで違うためだ。この判断基準を押さえておくと、AYH36以外の灯火でも応用できる。
取扱説明書・パーツカタログで確認する
正規の取扱説明書がある車種では、電球の型番やワット数が一覧で載っているかどうかで判断できる。型番が載っていればバルブ交換型、載っておらず「販売店へ」とだけ案内されている灯火はユニット交換型として扱われている。同じレクサスのSUVであるレクサスGX VJA252WのLED交換でも、この見分け方が有効だと確認できる。AYH36は正規の取扱説明書が国内にないため、この方法は現行LMなど他モデルの傾向を参考にする位置づけになる。
現車のバルブを外して確認する
正規資料が無い車種で最も確実なのは、実際にバルブを取り外してみる方法だ。ソケットごと引き抜けてバルブ単体が独立していればバルブ交換型、配線が基板やレンズと一体になっていて途中で外せない構造ならユニット交換型と判断できる。作業前に必ずライトスイッチをオフにし、バッテリー端子を外してから触るようにすると、ショートによるヒューズ切れを避けやすい。
AYH36ならではの注意点(部品調達と保安基準)
国内の正規ディーラーに相談しづらい理由
国内のレクサス販売店は現行LMやアルファード/ヴェルファイアの型式には対応しているが、AYH36という型式自体が国内の車両登録データベースに存在しないため、窓口で受け付けてもらえないことがある。輸入車専門の整備工場や、逆輸入車の取り扱い実績がある店舗であれば、現物を見た上での相談に応じてもらえる可能性が高い。
保安基準・車検への影響
前照灯(ヘッドライト)の色温度や光量は保安基準で範囲が定められており、社外LEDへ交換した場合はこの基準を外れると車検に通らなくなる。フォグランプについても同様に、光軸のズレや過度な高輝度化は検査で指摘の対象になりうる。特にAYH36のように現物確認が前提になる車では、交換後に光軸・光量をテスターで測定してもらい、保安基準に収まっているかを整備工場で確認しておくと、次の車検で慌てずに済む。左ハンドル・右ハンドルの違いや仕向地ごとの配光パターンが日本の基準と合っているかも、車検を受ける前に一度確認しておきたい項目だ。
交換以外にできること
ルーフイルミネーションなど設定で変えられる部分
現行LMには、ルーフカラーイルミネーションを15色から選べたり、読書灯の明るさを4段階で調整できたりする機能がある。AYH36でも同世代の上級グレードに近い装備が搭載されていれば、こうした色や明るさの変更は車両設定メニューやスイッチ操作で完結し、バルブ交換とは別の対応になる。手元の個体で似た機能があるかどうかは、まず取扱説明書代わりに配布された資料やスイッチ表示を確認するところから始められる。
レンズの黄ばみ・くすみへの対策
ヘッドライトが暗く感じる原因は、LED切れではなくレンズ表面の黄ばみ・くすみであることも多い。ポリッシャーやコンパウンドでレンズ表面を磨き、コーティング剤を塗布するだけで、体感の明るさが戻るケースがある。バルブ交換を検討する前に、レンズの状態を一度確認しておくと、不要な分解作業を避けられる。
よくある質問
AYH36の外装灯を社外LEDバルブに交換できますか
ヘッドライト・テールランプは複数のLEDが一体化されたユニット構造が中心で、社外バルブへの単純な差し替えは想定しにくい。交換を検討できるのはポジションランプなど一部に限られ、それも年式・グレードによって装着方式が異なるため、現物での確認が前提になる。
国内のレクサス販売店でAYH36の部品を注文できますか
AYH36という型式は国内の車両登録データベースに存在しないため、通常のレクサス販売店の窓口では受け付けてもらえないことが多い。逆輸入車を扱った実績がある専門店や、輸入車全般に対応する整備工場に相談するほうが現実的だ。
ルームランプのLED交換は自分でできますか
ベースになった30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッドではT10ウェッジ球が使われており、レンズを外してバルブを差し替えるだけの作業で完結する。ただし上級グレードで純正LEDになっている場合は基板交換型になり、バルブ単体の交換はできない。作業前に現物のソケット形状を確認しておくと手戻りが少ない。
フォグランプがLEDかハロゲンかはどこで見分けられますか
点灯している状態で光の色を見るのが手がかりになる。ハロゲンは電球色に近いオレンジがかった光、純正LEDは白色に近い光になることが多い。判断が難しいときは、バンパー裏からフォグランプユニットの型番を直接確認すると確実だ。
まとめ
AYH36は日本未発売のまま中国・香港・インドで販売された初代レクサスLMで、国内で流通しているのは逆輸入された個体になる。外装灯は複数のLEDが一体化されたユニット構造が中心で、社外バルブへの単純な交換は想定しにくく、交換の余地が残っているのはルームランプ・ナンバー灯・フォグランプなど一部に限られる。ベースになった30系アルファード/ヴェルファイアハイブリッドの構造を手がかりに、まずT10ウェッジ球が使われる室内灯から確認し、ヘッドライトなど複雑なユニットは現物確認と専門店への相談を優先すると、無理のない範囲で対応を進めやすい。
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