更新日:2026年3月
結論|タフトのリフトアップは40mm以内なら車検対応が可能
タフト(LA900S/LA910S)をリフトアップしたいけれど、車検に通るか不安という声は多い。結論から言えば、コイルスプリングなどの「指定部品」で40mm以内に収めれば、構造変更なしで車検をクリアできる可能性が高い。
この判断の根拠は、道路運送車両法における「指定部品」の扱いにある。コイルスプリングやショックアブソーバーは緩衝装置関係の指定部品に分類される。指定部品による車高変化は、4cmを超えても構造等変更検査が不要とされている。
ただし注意すべき点がある。メーカーが「車検対応」を謳っている製品であっても、最終的な合否は検査官の判断に委ねられる。車両の状態や取り付け精度によって結果が変わる可能性があるため、過信は禁物だ。
デメリットとして、リフトアップ量が大きくなるほどドライブシャフトブーツへの負担が増す。40mm程度であれば操舵系統への影響は小さいとされるが、ゼロではない点も理解しておきたい。
保安基準の3つのチェックポイント
タフトのリフトアップを車検に通すためには、保安基準の3項目を押さえる必要がある。ここを理解しておけば、パーツ選びで迷うことが減る。
全高制限|軽自動車は2,000mm以下
軽自動車の規格は全長3,400mm×全幅1,480mm×全高2,000mmと定められている。タフトの標準全高は1,630mmのため、リフトアップしても370mmの余裕がある。40mm程度のリフトアップであれば全高制限に引っかかることはまずない。
コスパの観点では、全高制限の心配よりも次に説明する「部品の種類」を重視すべきだ。
指定部品と指定外部品の違い
リフトアップの車検対応を考えるうえで最も重要な区分がこの2つになる。
指定部品(コイルスプリング、ショックアブソーバー等)
- 緩衝装置関係の部品として国が指定
- 4cmを超える車高変化でも構造等変更検査は不要
- 保安基準に適合していれば車検をクリアできる可能性が高い
指定外部品(スペーサー、ブロック、ボディリフト用パーツ等)
- 4cm以内の変更なら構造変更不要
- 4cmを超える場合は構造等変更検査が必要
- 車検証の記載事項を変更する手続きが発生
比較した結果、スプリング交換によるリフトアップが車検対応の面で最も有利だと分かる。ブロックキットを使う場合は、上げ幅を40mm以内に収めるのが無難だ。
最低地上高9cm以上の確保
保安基準では最低地上高を9cm以上確保することが求められている。タフトはもともと最低地上高190mmを確保しているため、リフトアップで地上高が下がることは基本的にない。
ただしリフトアップに伴ってエアロパーツやアンダーガードを追加装着した場合、最低地上高が9cmを切るリスクがある。パーツの組み合わせには注意が必要だ。
リフトアップ量別の車検対応ガイド
「何mmまで上げて大丈夫なのか」は、タフトオーナーが最も気にするポイントだ。リフトアップ量ごとに車検への影響を整理した。
20mm以内|ほぼ問題なし
20mm程度のリフトアップは、車検においてまず問題にならない範囲だ。外観上の変化も小さく、乗り心地への影響も最小限に留まる。
~の理由は3つある。第一に、指定部品・指定外部品のどちらを使っても構造変更が不要。第二に、アライメントのズレが少なく、タイヤの偏摩耗リスクが低い。第三に、ドライブシャフトへの追加負担がほとんどない。
25~40mm|指定部品なら構造変更不要
市販されているタフト用リフトアップキットの多くがこの範囲に設定されている。コイルスプリング(指定部品)を使用する場合、構造変更なしで車検に対応できる。
この範囲でリフトアップする場合、以下の点に気を付けたい。
- アライメント調整は必須(トゥ・キャンバー)
- 光軸調整も忘れずに実施
- 取り付け後の1G締めが乗り心地に影響する
40mm超|構造変更の検討が必要
40mmを超えるリフトアップは、使用する部品によって対応が分かれる。
指定部品(スプリング交換)であれば、4cm超でも構造変更は不要とされている。ただし全高が2,000mmを超えないことが前提だ。指定外部品を使う場合は構造等変更検査が必要になる。
コスパの観点では、40mm超のリフトアップは追加費用(構造変更の手数料・検査費用)が発生するため、40mm以内に収めるのが合理的な選択だ。
車検対応のタフト用リフトアップキット比較
ここではAmazonで購入できる車検対応のリフトアップキットを、2WD用と4WD用に分けて紹介する。
EAGER UP SUS(PRIENT GARAGE)|2WD用 25~35mm
PRIENT GARAGEのEAGER UP SUSは、LA900S(2WD)専用のアップサスだ。メーカーが車検対応を謳っており、25~35mmのリフトアップが可能。サビに強い素材を採用している点が特徴で、降雪地域のオーナーにも向いている。
キャンバーボルトセット付きのモデル(28,655円・税込)と、スプリング単体のモデル(24,475円・税込)の2種類がある。キャンバー補正まで一度に済ませたい場合はセットモデルが合理的だ。
EAGER UP SUS タフト LA900S 2WD用をAmazonで見る
5ZIGEN 5G-COIL アップスプリング|2WD用
5ZIGENの5G-COILは、17,460円(税込)と比較的手頃な価格で購入できるアップスプリングだ。LA900S(2WD)に適合し、R2年6月以降のモデルに対応する。
~の理由は3つある。価格が抑えめであること、実績のある5ZIGENブランドであること、そしてノーマルショックアブソーバーとの組み合わせで使える点だ。初めてリフトアップに挑戦するオーナーにとって、コスト面でのハードルが低い。
5ZIGEN 5G-COIL タフト LA900S用をAmazonで見る
タフトのリフトアップキット全般については、タフト リフトアップキットの選び方ガイドで詳しく解説している。タイヤサイズとの兼ね合いはタフトのタイヤサイズガイドを参照してほしい。
MASH リフトアップサスペンション|2WD/4WD用
MASHのリフトアップサスペンションは、日本製にこだわったスプリングだ。2WD用(LA900S)と4WD用(LA910S)の両方がラインナップされており、いずれも21,142円(税込)で購入できる。
2WDと4WDで同価格という点は嬉しいポイントだ。品質にこだわりつつ、コストも抑えたいオーナーに向いている。
MASH リフトアップサスペンション タフト LA900S 2WD用をAmazonで見る
OVERTECH MAX40 リフトアップブロックキット|4WD用
OVERTECHのMAX40は、LA910S(4WD)専用のリフトアップブロックキットだ。最大40mmのリフトアップが可能で、38,990円(税込)。フロントストラットスペーサー、キャンバー補正ボルト、リアブロックなどがセットになっている。
デメリットとして、ブロックキットは「指定外部品」に該当する可能性がある。40mmを超えない範囲での使用であれば、構造変更不要で車検に対応できるとされている。ただし検査官の判断によるため、事前にショップや陸運局に確認しておくのが確実だ。
OVERTECH MAX40 タフト LA910S 4WD用をAmazonで見る
WANGAN357 リフトアップキット|4WD用 +40mm
WANGAN357のリフトアップキットは、LA910S(4WD)専用で保安基準適合を謳っている。アッパーマウントスペーサーを使った方式で、+40mmのリフトアップが可能。価格は39,688円(税込)だ。
4WD用のリフトアップキットとしては、OVERTECHと並ぶ選択肢になる。両者を比較すると、価格帯はほぼ同じで構成パーツの方式が異なる。
リフトアップ後に必要な調整と注意点
リフトアップキットを取り付けただけでは作業は完了しない。以下の調整を怠ると、車検不合格やパーツの早期摩耗につながる。
アライメント調整(トゥ・キャンバー)
リフトアップによって車両の姿勢が変わるため、アライメントの再調整は必須だ。具体的には、フロントのトゥとキャンバーを左右合計4ヶ所調整する。
費用の目安は1万~2万円程度。DIYでリフトアップした場合でも、アライメント調整は専門店に依頼するのが確実だ。調整を省くとタイヤの偏摩耗が進み、コスパの観点でもマイナスになる。
光軸調整
車高が変わるとヘッドライトの照射角度もズレる。光軸のズレは車検の不合格要因になるため、リフトアップ後は忘れずに調整しておきたい。
多くのカーショップでは、リフトアップキット取り付けと同時に光軸調整まで対応してくれる。DIYの場合は、テスター屋(予備検査場)で2,000~3,000円程度で調整可能だ。
ドライブシャフトブーツへの負担増
リフトアップするとドライブシャフトの下反角が大きくなり、ブーツとジョイントへの負担が増す。40mm程度のリフトアップであれば深刻な問題にはなりにくいが、ブーツの点検頻度を上げることを推奨する。
特に4WDモデル(LA910S)はフロント・リアともにドライブシャフトがあるため、2WDよりも注意が必要だ。
1G締めの重要性
リフトアップキット取り付け後、車両を地面に降ろした状態(1G状態)でブッシュ類のボルトを本締めする作業を「1G締め」と呼ぶ。ジャッキアップした状態で本締めすると、ブッシュに無理な力がかかり、乗り心地の悪化や異音の原因になる。
専門店に依頼する場合は1G締めまで対応してくれることがほとんどだが、DIYの場合は忘れがちなポイントだ。
構造変更が必要になるケースと手続き
ここまで「40mm以内なら構造変更不要」と解説してきたが、構造変更が必要になるケースとその手続きも把握しておきたい。
構造変更が必要になる条件
以下のいずれかに該当する場合、構造等変更検査を受ける必要がある。
- 指定外部品(ブロック・スペーサー等)で4cmを超える車高変化がある場合
- リフトアップに伴って軽自動車の全高2,000mmを超える場合
- タイヤ外径の大幅変更などで速度計に誤差が生じる場合
手続きの流れと費用
構造変更の手続きは、管轄の軽自動車検査協会(軽自動車の場合)で行う。流れは以下のとおり。
- 必要書類の準備(車検証、自賠責保険証、納税証明書等)
- 検査予約の取得
- 検査場での測定・検査
- 車検証の記載事項変更
費用は検査手数料が約1,400円(税込)程度、加えて整備費用や代行費用が別途かかる。ショップに依頼する場合はトータルで3万~5万円程度が目安だ。
よくある質問
Q1. タフトのリフトアップは何mmまで車検に通る?
コイルスプリング(指定部品)による交換であれば、40mmを超えても法的には構造変更不要とされている。ただし実務的には40mm以内に収めるのが無難だ。全高が軽自動車の規格上限2,000mmを超えないことが前提になる。
Q2. リフトアップしたらディーラー車検は受けられる?
ディーラーによって対応が異なる。メーカー純正品以外のパーツが装着されている場合、入庫を断られるケースもある。事前にディーラーへ確認するか、カスタム車に理解のある整備工場を利用するのが確実だ。
Q3. 2WDと4WDでリフトアップの注意点は違う?
異なる。4WD(LA910S)はフロント・リアの両方にドライブシャフトがあるため、リフトアップによる負担が大きくなりやすい。また2WDと4WDでは適合するキットが異なるため、購入時に型式の確認を忘れないようにしたい。
Q4. リフトアップスプリングはDIYで交換できる?
工具と知識があればDIYでの交換は可能だ。ただしスプリングコンプレッサーの取り扱いには危険が伴う。取り付け後のアライメント調整と光軸調整は専門店に依頼する必要があるため、最初から一括でショップに任せるほうが合理的なケースも多い。
Q5. リフトアップ後に乗り心地は悪くなる?
40mm程度のリフトアップであれば、乗り心地の変化は比較的小さい。ただしロール(左右のふらつき)やピッチング(前後の揺れ)が若干増加する傾向がある。1G締めの有無やスプリングの品質によっても乗り心地は大きく変わる。
まとめ|タフトのリフトアップは正しい知識で車検をクリアしよう
タフトのリフトアップと車検対応について、要点を整理する。
- コイルスプリング(指定部品)なら40mm超でも構造変更は不要
- ブロック・スペーサー(指定外部品)は40mm以内に収めるのが安全
- 軽自動車の全高上限2,000mmを超えないことが大前提
- リフトアップ後はアライメント調整と光軸調整が不可欠
- メーカーが車検対応を謳っていても、検査官の判断で結果が変わる可能性がある
正しいパーツ選びと適切な取り付け・調整を行えば、タフトのリフトアップと車検の両立は十分に可能だ。
タフトのカスタム費用の全体感はタフト カスタム費用ガイドで確認できる。足回りの変更を検討しているなら、タフトのPCD・オフセット情報やタフトのタイヤ選び、タフトのホイール選びもあわせて参考にしてほしい。

コメント